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【前編】本当にあったトンデモ裁判!信じられないマクドナルド、レッドブルの裁判事例

前編】本当にあったクソみたいな裁判!マクドナルド、レッドブルの事例

普段、何気なく生活している私たちですが、世の中には「えっ!?」と驚くような出来事で溢れていますよね。特に、裁判の世界には、信じられないような訴訟や、思わず笑ってしまうような珍事件が数多く存在します。「そんなことで裁判になるの?」「一体どんな判決が下ったの?」と疑問に思ったことはありませんか?今回の記事では、そんな皆さんの疑問を解消すべく、実際にあった驚きの裁判事例を、前編と後編に分けてご紹介します。特に、「マクドナルド」や「レッドブル」といった、皆さんもよくご存じの企業が関わった裁判も取り上げますよ!

マクドナルドの熱すぎるコーヒー訴訟で巨額賠償!?

マクドナルドコーヒー事件の概要とステラさんの被害

まずは、世界中で話題となった「マクドナルドコーヒー事件」から解説しましょう!この裁判は、1992年にアメリカで起こりました。当時79歳のステラ・リーベックさんが、マクドナルドのドライブスルーでコーヒーを購入した際に、コーヒーが熱すぎて大やけどを負ったとして、マクドナルドを訴えたのです。ステラさんは、孫が運転する車の中で、コーヒーにミルクと砂糖を入れようとカップのふたを開けようとしました。その時、カップが傾き、熱々のコーヒーがステラさんの膝にこぼれてしまったのです。

85度!?マクドナルドのコーヒーの異常な熱さと過去の苦情

「コーヒーが熱くてやけどをした」と聞くと、「それは不注意じゃないの?」と思う方も多いかもしれません。しかし、この事件のポイントは、マクドナルドのコーヒーが「異常に熱かった」という点です。ステラさんの証言と、その後の調査によって、マクドナルドのコーヒーは、客に提供される際に約85度にまで加熱されていたことがわかりました。一般的な家庭用コーヒーメーカーで淹れるコーヒーの温度は約72度とされており、マクドナルドのコーヒーはそれよりも10度以上も高かったのです。さらに、マクドナルドは過去10年間で、コーヒーの熱さに関する苦情を700件以上も受けていたことも明らかになりました。

裁判の結果とマクドナルドの過失責任

裁判では、ステラさんのやけどの程度も争点となりました。彼女は皮膚移植手術を含む7日間の入院と、その後2年間の通院が必要となるほどの大やけどを負っていました。さらに、介護のために娘さんは仕事を辞めざるを得ない状況だったのです。治療費は120万円にも上り、ステラさん親子の経済的負担は非常に大きいものでした。裁判の結果、裁判所はステラさんに20%、マクドナルドに80%の過失があると判断し、マクドナルドに対して約6500万円未満の賠償金の支払いを命じました。これは、マクドナルドがコーヒーの温度を適切に管理し、客に注意喚起を怠ったことが原因と判断されたためです。

ドライブスルー方式と賠償金額の真相

マクドナルドは、ドライブスルーでコーヒーを提供する際には、移動中に冷めないように、ある程度高温で提供する必要があると主張しました。しかし、裁判では、その主張は認められず、結果として高額な賠償金の支払いを命じられることとなりました。この事件は、「マクドナルド」という巨大企業を相手取った個人が、製品の安全性について声を上げ、大きな成果を上げた事例として、世界中から注目を集めました。

小さすぎるから無罪!?ドイツで起きた衝撃の露出事件

配達中に下半身を露出した男の主張

次にご紹介するのは、ドイツで起きた、ある意味で衝撃的な裁判です。この裁判の被告人は、なんと「自分のナスが小さすぎるから無罪だ」と主張したのです。事件の発端は、配達員をしていた54歳の男が、配達先の10代の少女の前で、ズボンから自分の下半身を露出したことでした。通常であれば、公然わいせつ罪などで有罪になる可能性が高い事件です。

裁判で妻が証言!まさかの展開と裁判官の反応

しかし、この男は「自分のナスは小さすぎて、ズボンのジッパーから出すことは物理的に不可能だ。だから、露出はしていない」と主張したのです。さらに驚くべきことに、この男の妻は、裁判で「夫のアレは小さすぎて、ズボンから出せるようなものではない」と証言しました。裁判官は、さすがに被告人のナスのサイズを確認することは拒否しましたが、被告人側の主張を完全に退けることはしませんでした。

ナスのサイズ測定で判決が決定!?真相は闇の中…

裁判官は、検察側に対して、被告人のナスのサイズを測定するよう要求しました。そして、その測定結果をもとに、判決を下すことになったのです。つまり、この裁判では、被告人のナスのサイズが、有罪か無罪かを決める重要な要素となったのです。しかし、残念ながら、この裁判の続報はなく、最終的にどのような判決が下されたのかは、わかっていません。真相は、闇の中なのです。

トマトは野菜?それとも果物?19世紀アメリカの課税裁判

輸入野菜への課税法と農産物輸入業者の訴え

続いては、19世紀のアメリカで、トマトが野菜なのか果物なのかを争った、興味深い裁判をご紹介します。この裁判の発端は、1883年に制定された、輸入野菜に対する課税法でした。この法律では、輸入野菜には10%の税金がかけられましたが、果物には税金がかかりませんでした。この法律に目をつけた、ニューヨークの農産物輸入業者が、「トマトは果物だ」と主張して、トマトを野菜として課税された分の関税の返還を求めて、ニューヨークの税関を訴えたのです。

植物学的分類と食感・用途による分類の違い

この裁判では、「トマトは植物学的には果物だが、食感や用途的には野菜である」という点が争点となりました。 分類方法は、主に下記2種類です。

  • 植物学的分類:
    • 種子を持ち、花から成長する実の部分を「果物」と定義します。
    • 根、葉、茎など、果実以外の部分を「野菜」と定義します。
  • 食感・用途による分類:
    • 柔らかく、基本的に甘く、デザートに使われるものを「果物」と定義します。
    • 固く、苦味もあり、煮物や炒め物など、料理に使われるものを「野菜」と定義します。

この定義では、トマトは、植物学的には「果物」に分類されますが、食感や用途的には「野菜」に分類されることになります。

最高裁まで及んだ裁判の結果と「法律的に野菜」の誕生

この裁判は、なんと最高裁判所まで争われました。最終的には、「トマトは野菜である」という判決が下されました。つまり、「植物学的には果物だが、法律上は野菜である」と判断されたのです。「法律的に野菜」という言葉は、この裁判をきっかけに生まれた、パワーワードと言えるでしょう。

ビールの泡はビール?日本のビアホールで起きた泡論争

ビールの泡が多すぎると警察が介入!?

今度は、昭和15年の日本で起きた、「ビールの泡」をめぐる裁判をご紹介します。この裁判は、東京のあるビアホールに対して、「ビールの泡が多すぎる」というクレームが入ったことから始まりました。なんと、このクレームを受けて、警察がビアホールに介入し、帳簿を調査したのです。その結果、生ビールの仕入れ量に対して、販売量が異常に多いことが判明しました。警察は、ビアホールがビールの泡を水増しして、不正に利益を得ていると判断し、ビアホールを訴えました。

鑑定で判明!ビールの泡の正体とアルコール度数

この裁判では、「ビールの泡はビールなのか」が争点となりました。泡もビールであれば、違法ではありません。しかし、泡をビールと認めず、水増しと判断されれば、違法となります。この問題に決着をつけるため、東京大学の教授で、日本醸造学会の第一人者である専門家による鑑定が行われました。鑑定の結果、ビールの泡は、通常のビールよりもアルコール度数が高いことがわかりました。さらに、泡は液体のビールから生まれ、必ずできるものであることから、「泡こそビールの命である」として、泡はビールであると主張したのです。

ビール好き必見!歴史を揺るがした泡裁判

結果として、裁判所は「泡はビールである」と認め、ビアホール側の勝訴となりました。この裁判は、ビール好きにとっては、まさに歴史的な瞬間だったと言えるでしょう。もしかしたら、この裁判の結果が違っていれば、今頃、泡のないビールが普通に飲まれていたかもしれません。

スタバの氷が多すぎる!虚偽広告で訴えられた裁判

スタバのアイスコーヒーの氷の量と虚偽広告の主張

ここからは、現代の裁判事例を見ていきましょう。まずは、アメリカのシカゴ州で起きた、スターバックスの「氷多すぎ問題」に関する裁判です。この裁判は、スターバックスのアイスコーヒーなどに入れられている氷の量が多すぎて、その分、飲み物の量がメニューの表示よりも少ないとして、女性客がスターバックスを訴えたものです。女性は、これは虚偽広告であり、消費者に対する詐欺行為にあたるとして、約5億4000万円の賠償金を求めました。

スタバ側の反論と裁判所の判決

女性の主張によると、スターバックスの最も大きいベンティサイズのカップの容量は約710mlであるのに対し、実際に客が受け取る飲み物の量は約410mlしかなく、残りの約300mlは氷で占められているとのことでした。これは、約4割以上が氷であることを意味します。これに対し、スターバックス側は、女性の主張を認めた上で、「冷たい飲み物に氷が不可欠な要素であることは、顧客も理解している」と反論しました。さらに、「もし、出来上がりに満足していただけない場合は、喜んで作り直す」ともコメントしています。裁判所は、「コールドドリンクに氷が入っている分、飲み物の量が少なくなるのは、子供でもわかることだ」として、女性の訴えを退けました。

訴訟を機に社内規定を変更?氷の量と容量への配慮

この裁判は、スターバックス側が勝訴しましたが、この一件を受けて、スターバックスは社内規定を変更し、今では、カップの8割程度まで飲み物を注いだ後に、氷を入れる形を取るようになったそうです。つまり、氷を入れた状態で、カップの約9割が満たされるように、量を調整しているのです。この裁判は、企業の顧客対応や、商品提供のあり方について、一石を投じる出来事だったと言えるでしょう。

俺の腎臓を返せ!元妻への腎臓提供と離婚訴訟

妻の腎臓病と夫のドナー提供

続いては、非常にセンセーショナルな、個人間の裁判例です。ある夫婦の間で、「腎臓を返せ」という、驚きの要求がなされたのです。この夫婦の夫は医師で、妻は看護師でした。ある時、妻が腎臓病を患い、夫は自分の腎臓を妻に提供することを決意しました。適合するドナーを見つけることは、非常に難しいことです。夫婦間で適合するということは、まさに奇跡と言えるでしょう。

妻の浮気と離婚、そして腎臓返還訴訟

しかし、この美談は、悲劇へと変わります。なんと、妻は夫から腎臓の提供を受けた後、別の男性と浮気をし、夫に離婚を突きつけたのです。しかも、離婚届を渡したのは、夫の手術室だったという話もあります。さらに、妻は子供との面会も拒否しているとのことです。夫は、裏切られた怒りから、「腎臓を返せ、もしくは約1億4000万円の慰謝料を支払え」と、裁判を起こしました。

慰謝料請求と裁判の行方、夫の本当の想い

この裁判の続報はなく、判決内容はわかっていません。しかし、夫の怒りと悲しみは、想像を絶するものだったでしょう。もちろん、夫は本気で腎臓を返してほしいと思っていたわけではなく、それほどまでに大切なものを、妻のために捧げたということを、理解してほしかったのだと思います。

レッドブルを飲んでも翼は授からない!?虚偽広告訴訟

レッドブルの広告コピー「翼を授ける」への集団訴訟

最後にご紹介するのは、エナジードリンク「レッドブル」に関する裁判です。カナダの男性を中心に、「レッドブル」の広告が虚偽であるとして、集団訴訟が起こされました。問題となったのは、「レッドブル、翼を授ける」という有名な広告コピーです。原告団は、このコピーは消費者に誤解を与えるものであり、実際には「翼を授かる」ような効果はないと主張しました。

カナダでの訴訟とアメリカでの前例

実は、同様の訴訟がアメリカでも起こされていました。カナダの男性は、アメリカでの訴訟の調査内容を引用して、カナダでも訴えを起こしたのです。アメリカでの訴訟では、レッドブル側が和解金を支払うことで決着しています。しかし、当時カナダに住んでいた男性は、和解金を受け取ることができませんでした。そのため、彼は「カナダでも裁判を起こして、和解金を勝ち取ろう」と考えたのです。

レッドブル側の対応と和解金の真相

レッドブル側は、「レッドブルのマーケティングは常にウィットに富み、誠実で正確であり続けてきた」と声明を出し、「翼を授ける」というコピーは、あくまでも比喩的な表現であると主張しました。しかし、最終的には、約1000円前後の製品引換券を配布する、という形で和解に応じています。これは、裁判を長引かせるよりも、早期に和解した方が、企業イメージの悪化を防げると判断したためでしょう。

さて、前編はここまで!皆さんの知的好奇心を、少しでも満たすことができたでしょうか?これらの裁判事例は、社会のルールや、企業の責任、そして私たち自身の常識について、改めて考えさせてくれる、貴重な題材と言えるでしょう。続く後編では、さらに驚きの裁判事例をご紹介します。お楽しみに!

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