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人間の脳は10%しか使われていないは嘘?100%覚醒時の衝撃的な結末

人間の脳は10%しか使われていないは嘘?100%覚醒時の衝撃的な結末

教授、人間の脳って本当に10%しか使われていないんですか?もし100%使えたら、超人になれちゃうんでしょうか?

りこ
りこ
教授
教授

ああ、その話はよく聞くね。結論から言うと、それは誤解だよ。でも、なぜそんな誤解が生まれたのか、そして脳を100%使ったらどうなるのかを考えるのは、とても興味深いことだね。一緒に、その謎を解き明かしてみよう!

「人間の脳は10%しか使われていない」という説を、あなたも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?もし、残りの90%が使えるようになったら、超人的な能力を発揮できるようになるのでしょうか?そんなことが実現したら、私たち人類の脳の可能性はどの程度大きくなるのか知りたいですよね。この記事では、学生の皆さんの素朴な疑問に、大学教授である私が、専門的な知見を交えながら、分かりやすく解説していきます。脳の潜在能力の謎を解き明かし、脳を100%使ったらどうなるのか、その驚愕の真実に迫っていきます。

脳の10%神話:真偽と起源

出典:Wikipedia

アインシュタインの誤解?10%神話の誕生

「人間の脳は10%しか使われていない」という説、いわゆる「10%神話」は、実は明確な科学的根拠に基づいたものではありません。この神話の起源は諸説ありますが、よく言われるもののひとつが、あの有名な天才物理学者、アルベルト・アインシュタインの発言が誤って解釈されたというものです。

アインシュタインが「人間は潜在能力の10%しか引き出せていない」という趣旨の発言をしたとされていますが、これがいつしか「脳の10%しか使われていない」という話にすり替わってしまったのではないかと考えられています。天才の言葉であるがゆえに、この誤解は世界中に広まってしまったのです。しかし、この説の信憑性は定かではありません。

グリア細胞とサイレントエリア:誤解に基づく解釈

脳の約90%を占める「グリア細胞」の存在も、10%神話を生む一因となりました。グリア細胞は、神経細胞の働きを助ける重要な役割を持っています。しかし、かつては情報伝達には直接関与しないと考えられていたため、「グリア細胞は使われていない」と誤解されたのです。

この解釈により「残りの10%の神経細胞だけで情報伝達を行っているならば、脳のたった10%しか使っていないのではないか?」という誤った考え方が生まれました。

また、「サイレントエリア」と呼ばれる、手術などで刺激しても反応が見られない、あるいは、役割がはっきりしない脳の部位の存在も、この神話を後押ししました。「反応しない部分があるなら、そこは使われていないのではないか?」という、もっともらしい推測が生まれたのです。しかし、これらの説は、現在の脳科学では否定されつつあります。

なるほど、アインシュタインの話やグリア細胞の誤解が、10%神話を生んだんですね。じゃあ、実際は全部使われているんですか?

りこ
りこ
教授
教授

そうなんだ。最近の研究では、脳の細胞はそれぞれ役割があり、必要な時にだけ活動すると考えられているんだよ。

脳の働き:部分的な活性化のメカニズム

ローテーション式活動:脳の省エネ術

では、なぜ脳は常にすべての部分を同時に活性化させているわけではないのでしょうか?その答えは、脳の効率的なエネルギー利用方法にあります。脳は、各部位を交代で働かせる「ローテーション式」で活動していると考えられています。

例えるなら、大きな会社で、部署ごとに勤務時間をずらして、効率的に業務を回すようなものです。全部署が一斉にフル稼働したら、エネルギー消費が膨大になり、会社はすぐにパンクしてしまいます。脳も同じように、必要な部位だけを、必要な時に活動させることで、限られたエネルギーを効率的に使い、全体の機能を維持しているのです。

刺激と活性化の関係:脳の効率的な情報処理

脳は、受け取る刺激の種類によって、活性化する部位が異なります。視覚情報は後頭葉、聴覚情報は側頭葉といった具合に、それぞれの情報に対応する専門の処理領域が存在します。これは、脳が情報を効率的に処理するための仕組みです。

たとえば、本を読んでいるときは、視覚野と、言語を理解する部分が主に活動し、音楽を聴いているときは、聴覚野と、感情に関わる部分が主に活動します。全ての刺激に対して脳全体を反応させていたら、エネルギーの無駄遣いになりますし、情報処理の効率も悪くなってしまいます。

脳はローテーション式で働いて、エネルギーを節約しているんですね!刺激によって働く場所が違うのも面白いです。

りこ
りこ
教授
教授

その通り!脳は実にうまくできたシステムなんだ。それぞれの部位が得意分野を担当することで、効率的に情報を処理しているんだよ。

脳を100%使ったらどうなる?身体への影響

酸素とグルコースの大量消費:身体への負担

脳は体重の約2~3%の重量しかありませんが、全身の酸素消費量の約20%を消費する、非常にエネルギーを必要とする臓器です。これは、脳が情報処理のために、常に活発に活動しているからです。

さらに、脳はエネルギー源としてグルコース(ブドウ糖)を大量に消費します。成人では、1日に約120gものグルコースを消費すると考えられています。もし、仮に脳が100%活性化したら、酸素とグルコースの消費量は急激に増加し、身体に大きな負担がかかることは想像に難くありません。

臓器・筋肉への影響:酸素・グルコース不足の危機

脳が酸素とグルコースを大量消費すると、他の臓器や筋肉への供給が不足してしまいます。筋肉は、グルコースが不足すると、自らのタンパク質を分解してエネルギーを得ようとします。

そのため、脳の100%活性化が続けば、筋肉はどんどん失われていくでしょう。さらに、臓器への酸素・グルコース不足は、生命維持に深刻な影響を及ぼします。

低血糖とアシドーシス:命に関わる深刻な症状

消化器系は、食物を分解してグルコースを生成し、全身に供給する重要な役割を担っています。

しかし、脳が100%活性化すると、消化器系への血流が減少し、機能が低下します。その結果、グルコースの供給量が減り、低血糖症を引き起こす可能性があります。低血糖症は、意識障害や昏睡など、命に関わる危険な状態です。

さらに、脳が大量の酸素を消費すると、同時に大量の二酸化炭素が排出されます。血液中の二酸化炭素濃度が上昇すると、血液が酸性に傾き、アシドーシスと呼ばれる状態になります。アシドーシスは、細胞の正常な機能を妨げ、最悪の場合、死に至ることもあります。

つまり、脳が100%活性化すると、私たちの身体は、まるでエンジン全開で走り続ける車のように、あっという間にオーバーヒートし、機能停止してしまうのです。

脳を100%使うと、酸素やグルコースが足りなくなって、身体が大変なことになるんですね。低血糖やアシドーシスって、怖いですね…

りこ
りこ
教授
教授

そうなんだ。脳が全力で働くと、身体の他の部分が犠牲になってしまうんだ。まるで、ひとつの国が戦争をすると、国民の生活が苦しくなるようなものだね。

脳を100%使ったらどうなる?感覚への影響

認知能力の向上:超人的な情報処理能力

脳の100%活性化が、私たちの「感覚」にどのような影響を与えるのか、これは非常に興味深い問題です。

SF映画などでは、脳を100%使うことで、知覚が飛躍的に向上し、周囲の世界がスローモーションのように見えるような描写がされることがあります。実際、マウスやラットを使った実験では、脳の活性化によって認知能力が向上することが示されています。

例えば、素早く動く物体を正確に認識したり、複雑なパターンを識別したりする能力が向上するのです。

記憶力と情報処理速度の向上:研ぎ澄まされた感覚

脳が100%活性化すれば、情報処理速度も飛躍的に向上すると考えられます。脳内を駆け巡る情報伝達がスムーズになり、記憶の検索や、新しい情報の処理が、一瞬で完了するようになるでしょう。

例えば、膨大な量の本の内容を一瞬で記憶したり、複雑な計算を瞬時に解いたり、複数の言語を同時に理解したりすることが可能になるかもしれません。

これは、感覚が研ぎ澄まされ、周囲の世界から、より多くの情報を、より正確に、より早く、そして、より大量に得られるようになることを意味します。

脳を100%使ったら、映画みたいに、周りがゆっくりに見えたり、いろんなことが一瞬で理解できるようになるかもしれないんですね!

りこ
りこ
教授
教授

その可能性はあるね!脳がフル回転すれば、私たちの知覚は、今とは比べ物にならないほど鋭くなるだろう。まるで、高性能カメラで世界を見るような感じかな。

脳を100%使ったらどうなる?思考力への影響

活性化だけでは不十分?思考力向上の鍵

では、脳を100%活性化すれば、思考力も飛躍的に向上するのでしょうか?実は、そう単純な話ではありません。

研究によると、脳の活性化は思考力向上の「助け」にはなりますが、それだけで十分というわけではないのです。

思考力、つまり、論理的に考えたり、問題を解決したり、創造的なアイデアを生み出したりする能力は、脳の活性化に加えて、もう一つ重要な要素が必要となります。

訓練の重要性:思考力を高める真の方法

その重要な要素とは、「訓練」です。思考力は、筋肉と同じように、適切なトレーニングによって鍛えることができます。

例えば、数学の問題を解いたり、論理パズルに挑戦したり、文章を書いたり、ディベートをしたりするなどの、知的活動を継続的に行うことが、思考力向上に繋がります。

脳の活性化は、思考力を高めるための土台となりますが、その土台の上に、訓練という名の建物を建てなければ、真の思考力は身につかないのです。

脳の100%活性化:進化と可能性

人間の脳の進化:現在のバランスと限界

私たち人間の脳は、長い進化の過程で、現在の形と機能にたどり着きました。脳は、生命を維持し、環境に適応し、子孫を残すために、最適なバランスを保つように進化してきたのです。

つまり、現状は、脳の各部位が必要に応じて協力し合い、エネルギーを効率的に使いながら、高度な情報処理を行う、絶妙なバランスの上に成り立っています。現在の私たちの身体は、脳が100%活動し続けることには適応できないのです。

脳の暴走:活性化だけでは不十分な理由

脳の活性化は、確かに私たちの能力を向上させる可能性を秘めています。しかし、ただやみくもに活性化すれば良いというわけではありません。脳は、全体が調和を保ち、バランスよく機能することで、その真価を発揮します。活性化だけを追求すると、脳は暴走し、かえって機能が低下してしまう可能性があるのです。

人間の脳は、進化の結果、今のバランスにたどり着いたんですね。やみくもに活性化すればいいってものでもないと。

りこ
りこ
教授
教授

そうなんだ。脳は、とても繊細で複雑なシステムなんだ。そのバランスを保つことが、脳の健康と、私たちの能力を最大限に発揮するために、とても重要なんだよ。

まとめ:脳を100%使ったらどうなる? 驚愕の真実と未来への可能性

「人間の脳は10%しか使われていない」という説は、科学的には誤りであることが分かりました。脳の各部位は、必要に応じて活動し、協力し合って、高度な情報処理を行っています。脳が100%活性化すると、以下のような状態になります。

  • 身体への影響
    • 酸素とグルコースの消費量が急増
    • 他の臓器や筋肉への供給が不足し、低血糖やアシドーシスなどの深刻な症状を引き起こす
  • 感覚への影響
    • 認知能力や情報処理速度が飛躍的に向上し、周囲の世界がゆっくりと感じられる可能性がある
  • 思考力への影響
    • 活性化だけでは不十分であり、思考力の向上には訓練が必要である

つまり、現在の私たち人間の体は、脳が100%活動するために必要な能力を備えておらず、仮に脳が100%活性化すると、感覚や思考力は飛躍的に向上する可能性がある一方で、生命維持が困難になる危険性があります。しかし、人間の脳は、まだまだ未知の可能性を秘めています。今後の研究によって、脳のさらなる潜在能力が解明されれば、人類は、脳の力を最大限に引き出し、脳の機能を制御できる未来が訪れるかもしれません。

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